こんにちは 麻生です。
さて、先週の続きです。
さらに数日が経ち、子猫との生活にも少し慣れてきた感じがありました。
私たちがいないときにも小屋の外にでれるように、かといって、庭の外にでれないように簡単な柵をつくったりしました。その柵も、たぶん(記憶がないもので・・・)おじさんにことわりもなく、勝手につくったりしたのですが、おじさんは怒ったりするどころか文句ひとついわず、ただだまって見守っていてくれました。
こんなことを覚えています。
4人で庭で子猫と遊んでいたとき、テっちゃんが、かわいさのあまりか、面白半分か、うけをねらったのか、突然子猫の頭をスッポリ口の中にいれたのです。笑顔のまま。
子猫はびっくりして手足をバタバタさせました。テっちゃんは猫びんたを何発かもらい、ブハッといってすぐにだしたのです。
それを見て3人もびっくりし、あ然としましたが、ブハッの直後、私とリョウちゃんは思いっきり笑ったのです。
でも、タカちゃんはちがいました。
4人の中で一番心優しいタカちゃんは、一瞬ではありましたが、普段動きがにぶい子猫のあわてっぷりを見て、シャレにならない、なんかあったらどうすんだって思ったのでしょう。
「テっちゃん!!なにしてんだよ!」ってくってかかったのです。笑ってくれるものと思っていたテっちゃんは、タカちゃんの思わぬ反応にどうしていいかわからず、思わずタカちゃんの頭をパシッてたたいてしまったのです。
テっちゃんには前からそういうところがあるんです。ガキ大将的存在で(坊主頭でガリガリ君に似ている)、体も大きく、私たちのだれかがほかのだれかになんかいじわるされたりすると、上級生だろうがくってかかって、だいたい負かせてしまうのです。そんな男気あるテっちゃんですが、突然とっぴょうしもないことをするところがあるのです。
けんかをしたらテっちゃんにかなうわけありません。タカちゃんはくやしくて、泣きながら走って部屋にいってしまいました。(タカチャン家の庭なので家が目の前にあるのです。)
「テっちゃんが悪いよ。あやまってきなよ。」リョウちゃんがいつものように冷静にいいました。
リョウちゃんはそうなのです。なにかって、この子はいつもクールでドライ。みんながギャハハって手をたたいて笑うようなときも、この子はフフフフって感じでニヒルに笑うのです。小学校低学年でニヒルなのです。泣いたところを見たことがありません。
「お前らだって笑ったじゃないか!」
痛いところをつかれました。リョウちゃんもそのときはめずらしくギャハハでした。
結局、3人でタカちゃんにあやまりにいくことになりました。
「タカちゃん ごめんね!!!」
3人で声をあわせるようにしていいました。そのときリョウちゃんはテっちゃんのいがぐり頭に手をかけて、頭を下げるようにしていました。
この子、大人じゃんって思ったのをうっすら覚えています。タカちゃんは、確か、笑っていたように思います。
この話を書こうとなって、昔の記憶を一生懸命たどっていたら、いろんな場面が画像として浮かびました。そして、幼なじみっていいもんだなって思いました。もう何十年も会っていませんが、久しぶりに会いたくなってしまいました。
というところで、今週はここまで。